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あの船が出来るまで

皆さんが港に行くと、小さな船から大きな船まで、様々な船に出会っていると思いますが、そんな船はどのようにして建造されているかご存知でしょうか?
今回はその建造過程をご紹介します。
STEP1 設計をする

船を造ると決まってから、最初に行われるのが、CAD等を使用した開発&設計作業です。
造船所や、専門業者によって行われ、船を作る作業の要であると言えます。
ここで船のスピードや積載量、船の性能のすべてが決まります。

STEP2 資材等を集める

設計で出来た仕様を元に、鉄鋼資材や機器を発注します。
色々な機器メーカがある中で、その船に最適なものを選ぶ事が造船所や、建造監督の腕の見せどころとなります。

余談ですが、最近では新日鉄住金の大分製鉄所(大分市)で火災が発生したのご存知でしょうか。
この影響で、厚板工場の操業再開時期は見通せず、他の拠点で代替生産して供給への影響を抑える処置をとるとのことですが、大分工場より厚板を手配していた造船所は大変頭を抱えていることでしょう。
早期の供給体制の復帰を願います。
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このようなあらゆるリスクに備え、対処していかなければならない大切な工程です。

STEP3 加工から組立

硬い鉄を加工し、様々な形へ加工していきます。
曲線部分には熱を加え曲げたり、バルバスバウの部分等は厚めに残したりと、船が速く安全に走るく工夫がここでは行われます。
もちろん、その工夫は最初の設計チームによって行われています。
小さな組立から大きな組立へ移行していき、最後にブロックと呼ばれる大型の溶接したものを搭載します。
ちなみに、最初のブロックを搭載することを起工といい、この日に起工式を行うこともあります。
STEP4 塗装

形が出来てきたら船の塗装になります。
この塗装には大きな意味があることを知っていますか?
塗装には海洋生物の付着を軽減する効果があります。
特にプロペラ部分には腐食電力が多く発生するため、何種類もの塗料を使用します。
こうした塗料によって、船体は2~3年後のドライドックまで走られる状態を保ちます。

STEP5 進水(式)

ここまでは水に浮かべていない状態ですが、ここでついにドック内に海水を注入します。
この進水の式典はなんど出席しても感動します。
造船所によっては進水式の一般参加も可能ですので、もし、チャンスがあれば一度見学に行ってみてください。
あの大きな船体が浮かぶ瞬間は圧巻です。

大分県佐伯市では「進水式を推進する会」があり、進水式情報を紹介しています。
⇒詳細はこちら


STEP6 海上試運転(トライアル)

海上試運転で試されるのは、設計道り性能を発揮できるかです。
実際に海上を走らせ船の性能を検査します。
試験内容としては、速力試験・急ブレーキ・急旋回などのほか、主機・操舵機など様々な計器の性能もチェックされます。
この試験に合格して始めて船と認められます。
私は以前トライアルで朝7時~翌朝5時まで乗船した懐かしい思い出がありますが、通常は朝から夕方程度で終了します。
(あの時はエンジントラブルが原因でした)

STEP7 引渡し式

最後に船を引き渡す日に式典が行われます。
その式典の中で船名の発表が行われます。
船と壇上は支綱というロープで結ばれており、このロープを斧で切断すると、布で隠れていた船名が全員に公表されます。
どのような名前にするかは、船主・傭船者・荷主の中から決めることがほどんどです。
以上が船が出来る過程になりますが、船を発注する計画に半年~1年、建造期間は9ヶ月程度といわれています。
長く感じますか?短く感じますか?
この期間を経て、着々と作られていく過程をみると、わが子のように可愛くなります。
見た目は同じように見えますが、まったく同じ船は存在しません。
是非、身近で船を見る機会があれば、このような過程を経てこの船はここにいるのだと思い出してみて下さい。